糸ほかし
 こうして座繰りによって引き出された糸に撚りをかけ、再度セリシン及び絹糸以外の不純物を取り除く精錬作業(大きな鍋で5時間〜7時間糸を焦がさぬように手を加え加熱しながら精錬する)をします。
 次に、用途に合わせ適色に着色し十分に乾燥させてから糊付けする。
 この糊付けした糸を糸ほかしする。糸ほかしとは何度となく糸をほかしては位置を変え、指先にて精整しては精整することである。
 この糸ほかしの作業により大石紬が真綿から手紡糸した紬織物以上につやを出し、尚かつしなやかさを出しふんわりした布地に仕上がるのである。
 これらの作業も長い経験と勘だけを頼る重要な作業です