下の絵を見てお話をつくって下さい
これはテーマ画の叙述検査といいます。高機能自閉症児の認知特性を調べるのに用います。
高機能自閉症児は知的水準が高く、自閉症の症状は軽いそうです。
自閉症児は心を読みとる能力に於いて著しい障害を持ちます。心を読みとる能力は、ただ感情を読みとるのとは違って、他者が何を考え、それをそのように行動に移そうかについて推測する能力のことです。
たとえば、D君とS君の答えを比較しましょう。
D君 アカーサンハ、ナイテルヨーナ、オンナノコヲミテイマシタ。オンナノコハ、メヲコスッテイルヨウナカンジガシマシタ。
S君 チラカシテイル。ハハオヤガコドモニ、チラカシテイルカラシマイナサイッテ、イワレテイル。コドモハショゲテナイテシマッタ。ナイテイルッテイウコト。
心を読むために必要な能力は
@ 絵の中の登場人物を認識し、その空間の関係を認識できる。
A 人物の表情や仕草から感情を推察できる。
B 場面の中の手がかりからでき語との因果関係を推測し人物の直前や直後の行動を想像できる。
判定
D君は、@クリヤーA,Bはできていない。s君は、@,Bがクリアー、Aができていない。
D君は各要素の関係は正確に語られている(客観的)。しかし、叙述が表面的で出来事の流れが語られていない。絵の中の時間は止まっているかのようである。
参考 乳幼児期における親子のつながり
発達の早期段階に養育者との間に安定した愛着経験を持つことで、その後の自分や他者の心というものの性質や働きについての理解に促進的に作用する。 マインズ 1997